杉山のショールーム (愛知県一宮市) 
完成予定 : 2022年

一宮市の農地に囲まれた敷地に拠点を置く造園屋が新たに商う、薪ストーブの販売のためのショールームの計画。

薪ストーブのショールームでありながらも造園業を営む庭師としての仕事も同時に体感してもらえる場所になるよう庭を含めて提案した。

道路から見て奥に造園の資材土場や母屋が一体敷地の中に配置されており、それらがなるべく目立たないようにとの要望を受け、盛土で立体的な庭をつくり視線を誘導することを考えた。その手前には駐車場を配置して、車から降りて庭を感じながらショールームは足を進める計画としている。

建物は建蔽率から導き出される面積をそのまま床面積とし、壁が必要な打ち合わせ室や事務所スペースの、面積ボリュームを先行して検討し、それに沿って壁を配置したのちに構造的に不要な壁に穴を空けることにした。ショールームと各室とが視線のバッティングを外しながらも穴の向こう側へ視線が伸びることで、拡がりを感じることができる。

平家床面積ではスペース不足になってしまう資料収納は打ち合わせ室の床を1.2メートルをあげ、その床下に配置した。床を上げたことで薪ストーブ全体を俯瞰して眺めることができ、営業オペレーションにも優位性を持たせることができる。同時に東側の庭も地面を視線に捉えることができ、室内と庭との心理的距離感を近くできるのではないかと考える。

北側に薪ストック兼デッキ、南側は農地に対して開くことで大掛かりに空間的な拡がりをつくり、東側は立体的な庭を、西側は隣地の高木の緑を室内に引き込むことで、樹木との距離を近いものに感じてもらうよう考えた。

単なる商品が陳列されたショールームではなく、体験としての空間を提示することが薪ストーブや庭へのさらなる興味へと発展すると考えている。

用途:ショールーム

構造:木造平屋建て

建築面積:58.71㎡

延床面積:57.97㎡(+床下収納7.46㎡)

模型写真:border design architects