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メルヘンハウス覚王山

bookstore renovation

メルヘンハウス覚王山

​今と昔をつなぐ色

日本初の児童書専門書店であるメルヘンハウスは、45年の歴史に幕を下ろした後、2021年8月に庭とスキップフロアの空間を持つ覚王山のテナントに移転し、店舗を再開した。新しい店舗では、既存の内装を活かしつつ、絵本の本棚デザインに重点を置いた。本棚は面出し陳列と棚差し陳列を組み合わせ、棚板高さをすべての本棚で揃え、無駄な視線の上下運動を減らし、本との対話に集中できる環境を提供している。この本棚の考えは子どもの成長によって手が届く範囲が変わることで、同じ棚の中で絵本をシームレスに幼児用から高学年用へ移行させていることにもつながっている。ところどころ現れる色は昔のメルヘンハウスの本棚に使用されていた「青、黄、緑」にプラス、つらなりで使用した「青、赤」をビビットに置き換えて使用している。これは絵本の本質と常に向き合っている昔と今のメルヘンハウスの共存した姿のアイコンとして表現している。絵本との出会いが商品として陳列された量販店ではなく、言葉に想いを乗せて手渡してくれるメルヘンハウスから受け取って欲しいと思っている。この空間が絵本を受け取った思い出の中の背景として、子供の記憶に残ってくれたら嬉しく思う。

完成:2021年

所在:愛知県名古屋市千種区

用途:児童書洗

構造:木造

写真:植村崇史写真事務所 植村崇史​

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