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家の価値ってなに?設計事務所が考える価値とは?②

更新日:5月6日


南からの光が反射する

家の価値とは様々あると思います。市場的な価値を思い浮かべる人も多いかと思いますが、僕らのような設計事務所を運営している人間としては、住む上での価値も大切であると思います。ということで今回は僕らが思う住む上での家の価値にフォーカスしてさらに深堀できればと思います。


 

目次






 


吹き抜け


設計事務所が考える狭小地での家の価値


①狭小敷地の家

割塚の家は、間口が細く5m、敷地面積17坪の狭小地に建つ住宅です、JRの駅が近くにあり、東側は隣家が、北と西は現在駐車場ですが、いずれ住宅など建物が建つ予見があり、プライバシーの確保が非常に難しい敷地でした。狭小地であるため、プライバシーを守るためにセットバックすることもできず、唯一環境が変わらない南側の道路を基準にして設計を始めました。

 

②割塚の家の課題

通常狭小地建つ住宅は、最大建築面積を層で積み、なるべく床面積を稼ぐというのが一般的です。しかし南しか安心して窓を開けることができないこの状況にあってそのような建て方を行うと、北側には南からの光は届かず、風の抜けない部屋ができてしまう恐れがあり、それであっては家の中で大きな環境差が生まれてしまいます。床面積なのか、光や風による環境なのか。どちらの価値を優先するかが求められました・

 



北側の寝室

 

割塚の家で思う価値


①光と風をこの家の価値と考える

結果光と風を得ることをこの家の価値として考え、吹き抜けを設けることとした。この住宅の建築面積は33.26㎡、その中でオープン階段を含む吹き抜けが占める面積は6.24㎡。実に建築面積の1/5を使って吹き抜けを設けています。その吹き抜けはもちろん南側の窓に接するものであり、様々な高さに開けられた窓による南の光や風がこの家全体を包み込みます。個室はオープンスペースの中にあってはプライバシーを守ることが困難です。そのため扉を設けずカーテンで仕切る開口を用意し、吹き抜けに接している1階の一番北側に配置しました。それにより風は個室の窓から抜け、光も吹き抜けからの反射光を優しく得ることができます。反射光により、この家で一番明るいのは吹き抜けによって照らされた西面の壁になります。自然と明るい西側の壁に視線を伸ばすことで、吹き抜けによる家の拡がりを感じることができます。

南側に関しても外観で見えている木の外壁からから2階のベランダ、ロフトから出る屋上などを設け、窓面をセットバックしており、プライバシー性を考慮しながら有効的に窓を設けることができます。

 

②コミュニケーションもこの家の価値

この家は面積という市場価値ではなく、住む楽しさ、心地よさに価値を見出し、大きな吹き抜けを設けました。1階からロフトまで貫通した7mもの吹き抜けはコミュニケーションにも非常に有効的です。玄関を入ればすぐに吹き抜けとなり、2階を見ればすぐにLDKとなります。寝室や水廻りも1階にあり生活の拠点である2階のLDK、それ以外の1階とは常にこの吹き抜けを介しての視線や会話となります。視線を上下させるたびに、会話をするたびに、この家の明るさ、風の抜け、拡がりを感じるのではないかと思います。



外観


まとめ


広いけど暗い家と狭いけど明るい家。狭いけど明るい家の方がいいですよね?と強要したいわけではありません。この家、実は1棟建ての分譲建売住宅です。市場価値の中での優位性がなくても、1人でもこういった部分に価値を見出してくれさえすれば、逆にこの家でないとだめという選択を取ってくれるだろうと考えました。結果竣工し、購入希望を募ったところすぐに買い手が見つかったそうです。

 

価値とは人それぞれの尺度で決めるべきものです。市場価値に集中している現在の家の中で違う選択肢もありますよ、とお伝えしたいために前回、今回、次回のブログを書いています。割塚の家のように住む上での環境を価値と考えるのか、床面積や性能部分を価値と考えるのか。僕らは皆さまが思われた価値の中で最大限いい家になるように設計したいと考えています。家づくりの際は何が一番大事なのか一度お考え下さい。そしてそれを共有し、コミュニケーションを取りながら少しでもいい家になるようにお手伝いが出来たら嬉しいと思います。



室内環境を作る吹き抜け

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