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「だれでも」と「どこでも」:移動式家具の新たな価値①


ダイアグラム

家具は建築に比べて身近な存在です。特に椅子は活動中に身体に触れ、支える存在であるため身体に近いもの

をいえます。椅子以外にもテーブルや棚など、僕らが普段の活動をより快適なものになるために縁の下の力持ちのように支えてくれています。その中でも今回は移動式家具についての解説とデザイン事例を3回に渡ってお送りします。



 

目次





 


つらなり


移動式家具について



①移動式家具ってなに?


移動式家具とは、移動を伴うことが本来の目的となる家具のことを言います。例えば椅子、テーブルなどがそうです。また少し一般的ではないですが、商いをするために移動する什器も移動式家具にあたると思います。


②移動式家具の特徴


移動式家具の利点として、スペースを効率的に活用できる点にあります。使わないときはどこかに収納したり、別のところで使用したいときは簡単に移動することが可能です。その反面どこかに固定することができないため、構造的に家具自身が自立できることが前提となり、その部分はデザイン上での制約となります。

 



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だれでも と どこでもを考える



①だれでもどこでも


現代社会では、誰もが利用できる製品やサービスが当たり前のように求められています。家具も例外ではありませんがその一方で、移動式家具は「どこでも」利用できるという柔軟性も重要視されています。置く場所が限定されていないからこそ、この「どこでも」という特性には重要な意味があります。それは、単にどこでも利用できるというだけでなく、「どこに置くかわからないからこそのデザイン」というデザインの特徴が大切であり、そうでなければならないと考えます。


②どこでものデザイン


移動式家具は、その名の通りどんな場所でも使えるように設計されています。しかし、その特性がもたらすのは単なる利便性だけではありません。実際、どこに置くかが不確定なため、使用者はその都度、状況に応じて家具の配置を考える必要があります。この不確定性こそが、移動式家具の魅力の一部であり、デザインの特徴として生かすことが重要であると考えます。


③どこでものデザイン例


例えば、折りたたみ式の椅子やテーブルは、使わないときにはコンパクトに収納でき、必要な場面では瞬時に展開して使用することができます。そして、その配置場所は使用者の自由に委ねられます。このような家具は、どこでも使えるだけでなく、どこに置くかが使用者に委ねられるため、使い手自身のセンスや創造性を引き出すことができるのです。

 


つらなりディテール


まとめ


「だれでも」と「どこでも」というコンセプトは、単なる利便性だけでなく、新たなデザインの可能性を切り拓く鍵でもあります。移動式家具が持つ不確定性をデザインの特徴として捉え、使い手の創造性を引き出すことで、より豊かな生活空間を実現することができると考えてます。

次回から僕らがデザインした、「移動書店のための本棚」と「カフェギャラリーのためのテーブル」をご紹介します。どちらもどこに置くかわからないという制約をデザインの特徴として考えています。

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