中平の家
house / project

四畳が形づくる
駅から遠いながらも、幹線道路沿いであり今後も周辺環境の新陳代謝が起こっていくであろう敷地。敷地面積45坪の中で、外との過度な関わりやLDKに吹き抜けのような空調効率を下げる空間を制限しながらも、広々としたLDK空間をご要望された多少の矛盾を持つ住宅の計画。その中で広々とした空間の定義を「視線の無意識の伸び」「兼ねることで得られる床面積の高効率化」「同一面の同一仕上げによる空間の拡張」と捉え、検討を重ねた。具体的には①リビングから南側道路に向かって1100x1300の大きな窓を設ける。②そこに階段を設け、窓も2段にすることで多くの太陽光を獲得する。③その階段下に子供が遊び、ピアノを弾くことができるサービスルームを兼ねて、奥行きも910mmから1820mmへと拡張する。④LDK→サービスルーム×階段の壁面を木板とする。⑤LDKとサービスルーム×階段をガラスや扉で仕切る。こういったことを行いながら、疑似的な吹抜空間を持ち、扉を閉めていればLDKの空調効率には影響が少なく、外との関わりも階段×サービスルームが緩衝地帯となり、ダイレクトなプライバシーの阻害は起こらないと考え、制限と要望の矛盾を解決させた。その他にもサービスルームの床をタイルカーペットとして、床座になることで視線の重心を下げる試みを行い、南側の窓が取りつく壁を寒色系とすることで後退色による広がりも得られるのではないかと考えた。
これらはすべて階段×サービスルームが起点となっており、わずか四畳の場所がこの住宅を形づくっている。









完成予定:未定
所在:愛知県名古屋市天白区
用途:戸建住宅
構造:木造2階建て
建築面積:52.03㎡
延床面積:90.87㎡
写真:border design archietcts