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富士見の家
house

暮らしを受け入れる器
刈谷市の旗竿敷地に建つ住宅。住宅を設計することは、暮らしを設計することでもある。しかし、住まい手の暮らし方や価値観はそれぞれ異なり、建築がそのすべてを規定する必要はない。この住宅では、住まい手が持つものを選ぶ感性や、日々の生活の積み重ねによって空間が豊かになっていくことを前提に、建築としての主張をできる限り抑えることを考えた。空間構成はあえてオーソドックスなものとしながら、東側からの騒音に対しては収納を緩衝帯として配置し、生活に必要な機能によって住環境を整えている。また、リビングでは鴨居上部から連続する棚を設け、家具や植物、日用品など、住まい手が選び取ったものの居場所を用意した。ここで意図したのは、ものを美しく飾るための空間ではなく、ものが置かれることで自然と豊かになっていく空間である。建築が完成したときに暮らしの姿まで完成させてしまうのではなく、住まい手の選択を受け止めながら、その表情を少しずつ変えていく。建築が暮らしを演出するのではなく、暮らしが建築を育てていく。物が置かれることで、純度が下がるのではなく、物が置かれていく暮らし受け入れる器としての住宅を目指した。

完成:2023年
所在:愛知県刈谷市
用途:戸建住宅
構造:木造2階建て
建築面積:50.02㎡
延床面積:89.44㎡
写真:植村崇史写真事務所 植村崇史
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