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ROOM407

house renovation

ROOM407

環境を貫通する空間

日本のマンションでは、一般的に明るい南側にリビングを配置し、暗い北側には個室を置くことが多くある。しかし、この配置によって光や風の取り入れに部屋間での格差が生じていると感じた。そのことから京長屋の通り庭をヒントに南北に貫通した「通り部屋」という環境を作り出す空間を挿入した。通り部屋は、元々配置されていた南北の掃出し窓をストレートに貫通するように配置し、南側から北側まで風や光が直接通り抜けるようになっている。これにより、居室全体に光や風が行き渡り、より快適な環境が実現された。この環境を整える意識を住まいの中でより強く実感してもらうために、「通り部屋」の床を進行方向に目地を持ったフローリング、それ以外の床をタイル張りとしている。また、通り部屋は柔軟性が高く、二本の引き込み建具によってリビングや寝室の大きさを自在に変更できるため、時々の生活スタイルやニーズに合わせて空間をカスタマイズすることが可能である。住みやすさとは部屋の数や大きさなどの数字で決まるのではなく、体感して初めてわかる部屋の質で決まると信じて考えた住宅である。

完成:2022年

所在:愛知県名古屋市北区

用途:住宅(マンションリノベーション)

専有部分面積:73.31㎡

写真:植村崇史写真事務所 植村崇史​

受賞:​LIXILメンバーズコンテスト2022 準グランプリ

   LIXILメンバーズコンテスト2022 空間デザイン賞 INAXトイレ部門

​掲載:心地よい暮らしの間取りとデザイン2023(エクスナレッジ)

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