top of page

家の中に作る箱①

更新日:4月29日


家の中の外と中

【家の中に作る箱】

家の中に作る箱とは「外のような空間」と「中のような空間」を取り入れることを差しています。このことは単なる意匠的な面白さのにとどまりません。「外のような空間」はパブリックエリアで使用することが多く、外部空間とのつながりを意識してデザインします。「中のような空間」はプライベートエリアで使用することが多く、外部に対してのプライバシーを意識してデザインします。「外のような空間」と「中のような空間」を家の中で区別を明確にすることで、パブリックでの家族の団らん、プライバシーの個々のプライバシーを尊重する効果があり、家の中と外、家の中と中などの多様なつながりを持つことで床面積以上の拡がりを感じることができます。



家型の個室


家の今と未来をつなぐ「セミオープン空間」

その中で家庭の構成が変化し、子供が将来的に独立することを見据えなければ、空間の効率的な利用は難しいものとなります。こうした課題に対処するために、僕たちは新たなデザインの概念を模索する必要があります。

「セミオープン空間」とは、例えばお子様の部屋など、将来的に独立して建設時に想定していた使い方が役目を終える時期が来る部屋があります。そこを完全なプライベート空間とすると、転用の幅が狭いものになってしまいます。そこで子供室などを主要なリビングなどと隣接させて、カーテンやロールスクリーン、ガラスなどの仕切りを設け、将来の使い方の幅を広げるアイデアが「セミオープン空間」という考えです。これにより子供室に目隠しを設けてプライバシーを守りつつ、パブリック空間を家族の場所として活用し、部屋の役割が終わったとき書斎やセカンドリビング、納戸、夫婦別室などここには書ききれないような可能性が出てきます。



水廻りと玄関が入った白い箱


まとめ

家庭は常に変化し、成長していくものです。その変化に対応するためには、創造的かつ柔軟なアプローチが求められます。家の中の外と中という拡がりを持つ心地いい空間に、セミオープン空間の考えを入れることで、家族のライフスタイルや将来の展望に合わせて、機能的かつ心地よい居住空間を提供する一つの手段として考えています。

次回からは【家の中の外と中】についての事例を紹介いたします。

bottom of page